覚園寺の有料拝観は絶対におすすめ

覚園寺は鎌倉では珍しく、500円の拝観料を払うと、40分から50分のツアー形式で境内を案内してくれます。有料の拝観エリアは写真撮影が許可されていないため、覚園寺の情報がネット上にもあまり出回らないのですが、覚園寺の有料拝観は、500円払っても体験する価値がとても高いものとなります。覚園寺の有料拝観は、樹齢800年のイヌマキ、薬師三尊坐像と十二神将、川端康成が愛した鞘阿弥陀仏、触れると病が治る賓頭盧尊者像、本堂天井に描かれた龍、茅葺屋根の民家で受ける十三仏信仰、黒地蔵尊、千躰地蔵尊の説明などがメインとなります。800年以上昔の鎌倉時代の歴史がそのまま残る覚園寺の有料拝観についてご紹介いたします。



覚園寺(かくおんじ)とは

覚園寺正面入口

覚園寺正面入口

覚園寺の正式名称は、「真言宗 泉涌寺派 鷲峰山 真言院 覚園寺」といいます。北条時宗公の薬師如来信仰によって建てられた大倉薬師堂が覚園寺のはじまりです。建立は、永仁4年。1296年です。覚園寺では、本堂(薬師堂)の参拝をツアー形式で開催していて、参拝料金500円でガイド付きの説明を40分から50分の時間、受けることができます。詳細は、以下のページにまとめています。

関連記事:覚園寺(かくおんじ)の拝観料、拝観時間、ご利益、見所について

有料拝観エリアは撮影NG

覚園寺は、撮影ができない場所が多く、特に本堂周辺は、仏像でなくても撮影禁止となっています。比較的鎌倉周辺は、撮影可能な場所が多いのですが、仏像を文化の象徴ととらえるのか?宗教の象徴としてとらえるのか?という方針の違いによって、撮影可能な場所と禁止の場所が分かれてきます。

文化の象徴であれば、美的鑑賞という意味合いが強くなるので撮影が可能となってきますが、宗教の象徴となるとそうはいきません。仏像は神様の化身であり、念を込めて祈るものであり、祈りをささげている傍で撮影を行うという行為を禁止するっということなのだと思います。

ただ、撮影禁止であっても500円の参拝料を払っても、覚園寺の本堂周辺は、一度ならず何度でも入ってみたくなるとても魅力的な場所だと私は感じます。

覚園寺の本堂は、茅葺屋根となっており、茅葺のお堂としては、現在残っている中でもっとも大きいとされています。入口に3つある花頭窓がおしゃれです。

有料拝観時間

覚園寺本堂(薬師堂)の参拝案内

覚園寺本堂(薬師堂)の参拝案内


覚園寺本堂(薬師堂)の有料拝観は、以下のような定時で開催されていて、時間までに御堂の前に集合して、定時が来たタイミングで、集まった人たちと一緒にまとめてツアーが開始されます。

覚園寺の拝観案内に集合する人々

覚園寺の拝観案内に集合する人々

平日

午前10時、11時、(12時)、13時、14時、15時

土曜、日曜、祝祭日

午前10時、11時、12時、13時、14時、15時

拝観休止日

  • 雨天、荒天日
  • 8月1日から8月31日
  • 12月20日から1月7日

おすすめの参拝時間

空いている方が、ガイドの方に質問もしやすいので、一番のおすすめは、平日の12時になります。ただし、平日の12時は開催される場合と、開催されない場合があり、開催される場合は、覚園寺の拝観案内に、張り紙で「本日12時もご案内します」との記載がされています。

樹齢800年のイヌマキ

本堂へと向かう敷地内でまず一番目に入ってくるのが、樹齢800年のイヌマキです。樹齢800年ということは、ちょうど覚園寺の本堂ができた1353年頃に植えられた木だと思います。800年…もの凄い長い時の流れの中で、覚園寺のイマヌキは、様々な人々を見つめてきたのかもしれません。

薬師三尊坐像と十二神将

覚園寺の見所は、薬師堂内部に祀られた薬師三尊坐像です。薬師三尊坐像とは、仏教における仏像安置形式の事で、中尊に薬師如来、左脇侍に日光菩薩、右脇侍に月光菩薩を配置した三尊形式になります。通常薬師如来は、坐像、脇侍(日光菩薩と月光菩薩)は立像となるのが一般的なのですが、覚園寺に祀られた薬師三尊像は、「坐像」という文字が付いている通り、全ての像が坐像である点が特徴的です。覚園寺と同様に、坐像として祀られている薬師三尊像として有名なのは、法隆寺大講堂像です。

一見薬師如来の手に薬壺が見えないのですが、中央で手を合わせている指の間に薬壺が据えられています。また、薬師如来坐像の目の前には、覚園寺を開基した智海心慧(ちかいしんえ)の肖像が祀られています。

そして、覚園寺の最大の特徴は、薬師三尊坐像を取り囲むようにして、とても大きな十二神将がいるという点。仏像を作ったのは、運慶(1223没)。鎌倉時代の仏像の特徴としては、流れるような優れた木工技術で、確か「イモン(漢字は不明)」と呼ばれる技術が採用されている点です。仏像において、この特徴がよく現れているのが、仏像が身にまとう法衣(ほうえ)を台座より下に垂らしている部分で、このスタイルの事を法衣垂下(ほういすいか)と呼び、鎌倉地方特有の美しく見事な技術です。

もう一つ、運慶の仏像の大きな特徴が、玉眼(ぎょくがん)です。玉眼とは、仏像の眼部に水晶をはめ込み、実際の人間の眼の輝きに近いものがあります。薄暗闇の中輝く仏像の瞳に目線をあわせると、生きた人間以上に心の中を読まれてしまいそうな、そんな錯覚にも陥ってしまいます。

覚園寺本堂(薬師堂)が作られたのは1353年。仏像を見る度に、700年近く昔の人は、なんてセンスがいいんだろうと心の底から関心してしまいます。

十二神将とは

薬師如来の守り神が十二神将です。十二神将は、護法善神で薬師如来の十二の大願に応じて、十二の方角を守るために、十二支が一体一体に割り当てられています。それぞれの神将は、一体につき7千の眷属夜叉を率い、十二体いるということは、7千×12体、合計8万4千の夜叉を率いている事になります。この数は、人間の煩悩の数に対応しているそうです。煩悩とは、人間が持つ妄念や欲望の事です。

ちょうど覚園寺を訪れる前に、建長寺で座禅会が行われていたのですが、そこで住職さんが、「世の中にいる生き物でありのままの姿でいられないのが人間であり、思い通りに事が進まない時に欲望が生まれる。」というような、まさに煩悩に関する説明をしていたなっと思い出してしまいまいました。直接、座禅会には参加せず、近くを通り過ぎた際に、一瞬内容を聞いていたのですが、心を正すために役立ちそうなので、機会があったら参加してみようかと思っています。

日光菩薩と月光菩薩の役割

薬師如来の両脇に配置された日光菩薩と月光菩薩は、昼と夜、薬師如来を守るといった役割があります。

十二神将の役割

薬師如来の両脇に配置された日光菩薩と月光菩薩。そして薬師三尊坐像を取り囲むように祀られている十二神将。十二神将の役割は、薬師三尊坐像を365日守るという役割があります。

川端康成が愛した鞘阿弥陀仏

薬師三尊坐像の向かって右側には、鞘阿弥陀仏が祀られています。鞘阿弥陀仏は、仏像胎内にもう一体の仏像が入っているそうで、刀を納めるための覆いである「鞘(さや)」の名称が付いているそうです。きっと刀と一緒で、中に収められている仏像が本当に大切な仏像なのかもしれませんね。ちなみに、鞘阿弥陀仏は、川端康成が愛した仏像で、ふくよかでやさしい顔立ちが特徴的です。

触れると病が治る賓頭盧尊者像(びんずるそんじゃぞう)

薬師三尊坐像の向かって左側には、賓頭盧尊者像が祀られています。通常仏像には手を触れることはできませんが、賓頭盧尊者像は、病を患った自分の患部と同じ箇所を触れることによって、その病気が完治するといった信仰がある仏像です。仕事で頭を使う事が多いので、頭を沢山なでてきました。

ちなみに、賓頭盧尊者像をお参りする際には、状態を良くしたいと思う自らの身体の部分に触れてから、賓頭盧尊者像の同じ箇所に触れるようにする必要があります。賓頭盧尊者像にいきなり触れても賓頭盧尊者像は沢山の人になでられているので、どこを直してもらいたいのかいきなり触れても理解できないそうです。

本堂天井に描かれた龍

覚園寺に限らず、円覚寺建長寺の本堂にも、天井には龍が描かれています。なぜ本堂の天井に龍が描かれているかというと、龍は昔から雲をよび雨を降らせると言い伝えられていることから、本堂を火災から守るためという意味をこめて、天井に龍が描かれているそうです。

また龍が降らせる雨は仏法の雨という意味も込められており、雨を降らせると同時に、仏法を人々に浸透させるという意味合いもこめて、本堂の天井には龍が描かれています。

茅葺屋根の民家で受ける十三仏信仰の説明

覚園寺の有料拝観の中には、鎌倉で手広の交差点として、地名が有名なのですが手広に昭和56年まで人が住んでいた茅葺屋根の民家があります。300年もの長い間住んでいた民家だそうで、住んでいた方が手放したため、覚園寺へと移転されました。

建物内部は囲炉裏の煙と煤で柱が黒く変色しているのですが、囲炉裏の煙は、建物の柱の強度を高める役目があるのと、茅葺屋根の中に潜む虫を駆除するといった役割があります。

また、建物内に入る入口の間口が広いのは、昔の人は馬を飼育していたため、人だけでなく馬も出入りできるように、間口が広くなっています。

建物内部では、十三仏信仰の説明が行われます。十三仏とは、死んだ人があの世に行った際に待ち受けている13人の裁判官です。特になじみがあるのは閻魔大王様だと思います。現世においての行いによって、この世を去ってしまった人々は、十三仏によって天上界にいけるのか、人間界へ再び戻るのか、それとも地獄へと送り込まれるのかが決まります。

しかし、この十三仏の裁判官は、無くなってしまいあの世に行ってしまった本人の行いだけでなく、その周辺にいた親族の評価も配慮した上で審議を行ってくれます。

よく法事の周期は、十三仏信仰の周期とあっており、法事の際に故人を偲び、身内の人々が供養で集まった時に故人に対しての評価に十三仏は耳を傾けてくれます。

でも十三仏全てに対して、追善供養するのはとても大変なことです。

そこで、覚園寺の境内にはやぐらを設け、その中に十三仏を祀ることで、一気に十三仏に対して参拝ができるようになっています。

やぐらは鎌倉石で、人工的に彫られた洞窟です。やぐらから切り出された石は境内の階段などあらゆる場所で利用されています。

十三仏とそれぞれの審理の時期

十三仏 裁判官 審理
不動明王 秦広王 初七日(7日目・6日後)
釈迦如来 初江王 二七日(14日目・13日後)
文殊菩薩 宋帝王 三七日(21日目・20日後)
普賢菩薩 五官王 四七日(28日目・27日後)
地蔵菩薩 閻魔王 五七日(35日目・34日後)
弥勒菩薩 変成王 六七日(42日目・41日後)
薬師如来 泰山王 七七日(49日目・48日後)
観音菩薩 平等王 百か日(100日目・99日後)
勢至菩薩 都市王 一周忌(2年目・1年後)
阿弥陀如来 五道転輪王 三回忌(3年目・2年後)
阿?如来 蓮華王 七回忌(7年目・6年後)
大日如来 祇園王 十三回忌(13年目・12年後)
虚空蔵菩薩 法界王 三十三回忌(33年目・32年後

地獄の底からも救いの手を差し伸べてくれる黒地蔵尊

この世の中でもっとも許さざる行いを行った人が、地獄へ行った際に受ける刑罰が火あぶり地獄の刑です。黒地蔵が何で黒いのか?実は覚園寺に祀られているお地蔵さんは、火あぶりの刑にあうような悪い事をしてしまった人でも、救いの手をさしのべてくれ、何度も火あぶりが行われている場所に訪れているから黒いそうです。

でも今世の中で生きている私たちが黒地蔵の前に訪れる際には、悪い事をしたから許して欲しいでは無く、悪い事を行わず真っ直ぐ生きていきますということを伝えるために訪れた方がよいかな?っと個人的には思いました。

でも、どん底からでも救いの手を差し伸べてくれるとても優しい仏様です。

あなたの代わりに願いを叶えてくれる千躰地蔵尊

黒地蔵へ願いを託し、その願いを叶えるため、黒地蔵の分身を千躰地蔵として借り受けることができます。願いが叶ったら、借りた千躰地蔵に対してお福分けの気持ちを込めてもう一体のお地蔵さんを自ら作り、二体にして返却される事から、覚園寺には沢山のお地蔵さんが祀られています。

毎年8月10日は黒地蔵縁日

毎年8月10日は覚園寺の黒地蔵縁日

毎年8月10日は覚園寺の黒地蔵縁日

毎年8月10日は黒地蔵縁日で、8月9日の夜半過ぎから、8月10日の正午まで、黒地蔵が亡くなられた方々へ私たちの気持ちや願いを運び届けてくれる縁日として、施餓鬼法要が開催されています。新盆から、3年続けて縁日に参拝供養すると、亡くなられた方は必ず成仏するとされており、8月10日は沢山の人が、覚園寺に訪れます。お地蔵様は、他の仏像と異なり立ち上がって、錫杖を手に持っていることが多くあります。これは、他の仏像と異なり歩くことができ、様々な場所へと移動し、救いの手を差し伸べてくれるからです。お地蔵さんは、大切にしてあげないとダメですね。黒地蔵縁日の詳細については、以下のページでまとめています。

関連記事:毎年8月10日は覚園寺の黒地蔵縁日



覚園寺関連情報

覚園寺に関してまとめた記事になります。

鎌倉二階堂

鎌倉の二階堂は、鶴岡八幡宮の東側に広がるエリアで、学問の神様として有名な荏柄天神社、鎌倉の七五三で多くの人が集まる鎌倉宮、鎌倉最古のお寺である杉本寺、秋の紅葉がとても美しい瑞泉寺などがあるエリアになります。2018年5月26日にアド街ック天国でも放送された鶴岡八幡宮から、二階堂方面の魅力についてご紹介いたします。

関連記事:アド街ック天国で紹介された鎌倉二階堂を散策

鎌倉のあじさい

見頃をむかえた6月中旬の明月院のあじさい

鎌倉で人気のあじさいスポットといえば、明月院、長谷寺、江ノ電とあじさいのツーショットが撮影できる御霊神社です。鎌倉のあじさいは、5月下旬から6月上旬にかけて咲き始め、6月中旬にかけて見頃をむかえます。鎌倉のあじさいシーズンにあじさいの名所を実際に訪れ撮影してきたあじさいの様子をご紹介いたします。

関連記事:鎌倉のあじさい

鎌倉のお寺、神社

鎌倉覚園寺の水がめに反射するもみじの木

鎌倉の魅力といえば、今から800年以上前の鎌倉時代の雰囲気を残しつつ、綺麗な鎌倉の海や自然が楽しめるという点です。お寺の境内から海を眺められる場所は、日本国内の中でもなかなか無いのではないかと思います。鎌倉のお寺や神社といえば、鶴岡八幡宮高徳院(鎌倉大仏)長谷寺円覚寺建長寺などメジャーどころばかりが紹介されがちですが、おすすめという観点には、有名なメジャーどころ、古きよき鎌倉の歴史を心の底から感じられる場所。そして、京都とは違う鎌倉の一番の魅力は、古きよき歴史を感じながら、鎌倉由比ガ浜、材木座といった湘南の海を一望できるという景色の良さという3つの点に大きく分類されてきます。でもメジャーどころでないと、なかなか足を運んでみないとどこがよいのかが分からないというのが実情です。実際に鎌倉の各スポットへ足を運び、写真を撮影しながら、鎌倉にあるお寺や神社で感じた魅了について、以下のページで詳しくまとめています。

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鎌倉の観光、デート情報

鎌倉の海の雰囲気や鎌倉の海の家、お寺、神社、レンタサイクル、ホテル情報などをまとめています。鎌倉について更に詳しく知りたい場合は、以下のページもあわせてご覧ください。

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鎌倉のホテル比較

鎌倉七里ヶ浜からの夕日と江ノ島

鎌倉観光の際に利用するのにおすすめのホテルは、JRだと藤沢駅、大船駅、鎌倉駅周辺。湘南モノレールだと、湘南深沢駅周辺。江ノ電だと腰越駅、七里ヶ浜駅、極楽寺駅、長谷駅、由比ヶ浜駅、和田塚駅周辺になります。それぞれの駅周辺にあるホテルを一覧にして比較できるようにしました。比較表では、それぞれの最寄駅からの徒歩時間、簡単な特徴、参考宿泊料金、じゃらん、楽天、エクスペディア、Yahoo!トラベル、JTB、ヨヤキュードットコム、一休の各宿泊施設への予約一覧へのURLを記載しています。参考価格は、行楽シーズン外での価格を参考情報として記載しています。初詣がある年末年始や、桜のお花見、あじさい、海水浴、紅葉シーズンなどは、ホテルの価格が高くなる傾向があります。あらかじめ前もって予約をすると安く済む場合や、希望する宿泊施設の予約がし易いので、鎌倉へ宿泊で旅行に訪れる際には、早めに予約をするのがおすすめです。

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