ファイブフォース分析

ファイブフォース分析とは、自ら取り組もうとしている事業に関わる業界内を5つの観点で分析を行い、他社を知り自社の収益性を有利に働きかけるためのマーケティング手法です。競合他社の情報を知るという事は、新しく事業やサービスを開始する上で、事前に必要な作業となってきます。特に自ら行おうとする新しい事業を既に営む同業他社が多く存在しているような場合、どういった観点において差別化を図っていくのかを検討していく上で、ファイブフォース分析によって得られた情報を整理しておくことは、事業を成長させるために必要不可欠な作業となってきます。

既存競合者同士の敵対関係

新しく開業する職種や、提供するサービスについて、既存で既に提供している競合者を分析する調査です。店舗出店であれば、同じ業種業態で同一エリア展開している企業の分析、物販等であれば、同じ業種業態でインターネット上で展開している企業の分析や、規模などを調べます。また、競合者となる企業がいる場合については、どこが一番手なのかも把握し、相手が展開できていない分野などもあわせて情報収集し、自社においての差別化という点をまとめます。

新規参入の脅威

新しく開業する職種や、提供するサービス。既に提供している商品やサービスなどに対して、新規参入者が現れた時の差別化要因や、模倣の困難性などについて情報収集します。優位性を高めるという事も大切ですが、新規参入者が現れた時のリスクを把握し、リスクヘッジをあらかじめ想定しておくことも大切です。

代替製品・代替サービスの脅威

自ら提供しようとするサービスや商品、もしくは既に提供しているサービスや商品と同じ役割をする代替商品や製品、サービスが現れた時のリスクヘッジを想定する情報収集と検討になります。例えば、一昔前はガラケーが主流でしたが、スマートフォン市場が主流となり、日本国内の携帯メーカーの姿はほとんど見かけなくなってしまいました。これは、ファイブフォース分析における代替製品・代替サービスの脅威に対する分析やリスクヘッジの対応の甘さが露呈した部分になります。

買い手の交渉力

自ら開業、提供する商品、サービスに対して、それをお金を払って購入する買い手の消費者から、値下げの要求があった場合、それに対応すると、自社の利益が減少することになります。買い手の値下げ要求に対する価格の交渉力の有無もそうですが、利幅をどこまで持たせるのか?という点や、競合他社の参入により買い手の交渉力が高まってきてしまった場合に、原価部分の見直しができるのか?などについてもあわせて分析して、自らの考えについて情報整理を行っておく必要があります。

供給者の支配

自ら開業、提供する商品、サービスに関わる業界内部において、原材料の調達、製造、流通、販売までの一連の流れとなるサプライチェーンにおいて、上流に位置する供給者であるサプライヤが持つ支配力が強い場合、利益の多くが供給者側に吸収されてしまうことになります。これが顕著に出やすいのが、メーカーもしくは代理店と小売を行う販売店の間になります。メーカーもしくは代理店側が提供する商品がほぼ独占状態だった場合、利益の多くはメーカーや代理店側が吸収してしまうため、商品を販売する販売店側は、利幅が必然的に下がってしまう事になります。自ら販売するサービスや商品の利幅を増やすのであれば、メーカーや代理店などを頼らず、自ら独自ルートで新規商品の開発やサービスの開発を行わなくてはなりません。また、現代の世の中において、誰かを頼るという事はそれだけコスト増につながることから、独自商品やサービスを開発する事は、市場における優位性を高めると共に、自社の利幅を増やし、市場における競争力も高めることになります。どのような方法で、商品を仕入れるのか?誰を頼るのか?などについては、シッカリと分析し、情報を整理したうえで商品、サービス開発などに携わる必要があります。

開業時の情報収集に関する関連情報

開業や新商品やサービス開発を行う際、どのような情報を収集して整理していったらよいのか分からない場合は、マーケティングの手法にのっとってまとめていくのが効率的な方法です。以下のページでは、開業や店舗経営などを行う際に必要となってくる情報収集において、どのような情報を収集すればよいのかについて、マーケティング手法別にまとめています。

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