PEST分析とは、「政治面」、「経済面」、「社会、ライフスタイル面」、「技術面」といった外部から影響を受ける要因によって、自らこれから行おうとしている事業が世の中全体の変化に対して、どのような影響を受ける可能性があるのかについて、分析するマーケティング手法です。PEST分析を行うことによって、自らを取り巻く社会的な市場変化において、リスクは何なのか？チャンスは何なのか？を把握することができます。

PEST分析のPESTとは、Politics（政治的要因）、Economy（経済的要因）、Society（社会的要因）、Technology（技術的要因）の頭文字となっています。

Politics（政治的要因）について

政治的要因とは、市場のルールを変化させるものとなってきます。具体的には、以下のような内容となります。

• 規制、緩和
• 政治、政権交代
• 政治団体、デモ
• 税制
• 裁判制度

政治的要因において、情報収集を行っておくべきポイントは、自ら開業しようとしている事業が、国の政策において有利に働くのか？それとも不利に働くのか？といった事を把握することです。例えば、今日本には海外から沢山の観光客が訪れています。海外からの観光客を相手に新しい事業を展開しようとした際、政治的要因によってプラスになる面、マイナスに働く面などを政治的要因の観点において把握しておく事が大切です。

Economy（経済的要因）について

経済的要因とは、景気や経済成長などといった価値連鎖に影響を与えるものとなります。具体的には、以下のような内容となります。

• 景気動向
• 物価
• 消費動向
• 経済成長率
• 為替、株価、金利、原油価格

例えば海外から何かモノを調達し、販売などを行いたいと思った場合、為替の影響を受けやすいものなのか？調達したものが国内の景気の動向によって消費に左右されるものなのかを把握します。景気の動向に左右されるのか？などネガティブな一面があっても、事業を行う上で、リスクを把握しておくことは、とても大切なことになります。

Society（社会的要因）について

社会的要因とは、人口の変化などによって、需要構造に影響を与えるものとなってきます。具体的には以下のような内容となります。

• 人口密度、構成
• 世帯
• 老齢人口、少子化
• 流行、世論
• 宗教、言語、教育

もし新しく開業して店舗を出すとなった場合など、出店エリアに住んでいる人の数や、観光で訪れる人の数。また店舗で扱う商材が高齢者向けなのか？若者向けなのか？を考えた場合に、ターゲットとなる属性を持った人が、そもそもその場にいるのか？などを情報収集します。国内においては、あまり宗教といった外的要因について検討を行う必要はないかもしれませんが、海外の人を相手に商売を行う際などには、宗教という観点も考慮する必要があります。また、流行語大賞にもなった「インスタ映え」など、飲食店や雑貨の販売等商品を扱う場合は、扱う商品がインスタ映えするのか？などを検討するのも、ある意味、社会的要因を検討する上での一つの判断材料でもあります。

Technology（技術的要因）について

技術的要因とは、ITの技術の進化などによって、今まで常識として捉えられていたことが、非常識へと変化してしまうようなイノベーティブな変化になります。具体的には、以下のような内容となります。

• イノベーション
• 新技術
• インフラ
• IT活用
• 特許

一昔前までは、無料で海外に電話をかけることなんて信じられませんでした。でも今は規制が入っていないインターネット通信が可能な国であるならば、世界中にいる相手に無料で電話をかけることができます。今までの非常識を覆し、常識に変えてしまった一つの例が、無料通話アプリのLINEです。自らの技術力で新しい事業を起こすモノを開発するというような観点以外にも、世の中に溢れているITの技術やサービスを上手く組み合わせて活用することによって、今までは情報を届けることができなかった人たちを相手に商売をしてみたり、SNSを活用する事によって集客を行ってみたりと、新たな事業を開業する上で、IT技術の活用は必要不可欠となっています。また、AI（人工知能）の発展により、人間の職が一部失われるなどとも言われることがありますが、これもある意味PEST分析の「T」に該当する部分の要因となります。新たな事業を展開していく上で、どのようなIT技術を活用していくのかは、とても大切なことです。

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